ブラックトライアングルについて
2025.11.10更新
矯正治療中に歯と歯の間に黒い三角形のような隙間ができることがあります。これはブラックトライアングルと呼ばれるもので、歯と歯の間を埋めている小さな歯ぐきの部分が下がったり、ボリュームが減ったりすることで、見た目に黒い影のような空隙ができてしまう状態のことです。この現象は矯正治療によって歯が動くときに、歯を支える骨や歯ぐきも一緒に変化することが原因の一つです。特に歯のねじれが大きかったり、でこぼこが多い患者さんほど、重なっていた歯を正しい位置に並べる際に歯根の位置関係が変わってブラックトライアングルができやすい傾向があります。また歯の形が三角形に近いほど、歯の先端に近いところでしか隣の歯と接しないため歯ぐきが満たされにくく隙間ができやすくなります。さらに成人の方では加齢や歯周病によって歯槽骨が少し下がっていることもあり隙間が発生しやすくなります。対処法としては、矯正治療中に歯と歯の間にやすりをかけて歯の形を整えてから、歯を寄せることで隙間を目立たなくする方法が一般的です。また、矯正治療後にレジン樹脂による修復処置で、歯の形を変え隙間を減らす方法もあります。その他、歯ぐきそのものを再生させる外科的な治療(歯間乳頭再建術)もありますが、適応できる症例は限られ結果の安定性には個人差があります。
いずれにしてもブラックトライアングルは矯正治療の失敗ではなく、歯ぐきや骨、歯の形といった生体の特性が関係する自然な変化のひとつです。事前にそのリスクを理解し、適切な治療を行うことで見た目や機能への影響を最小限にすることができます。
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