「かむ」ことの効用
2024.11.19更新
一般的に歯の矯正治療というと、見た目の問題を気にして歯並びの悪いところを治すものと思われがちです。しかし実際には、それと同時に口元をすっきりとさせたり、さらには発音や咀嚼(そしゃく、物をかむこと)など機能面での問題も改善するものなのです。歯並びがきれいに見えてもかみ合わせが悪い場合には、きちんとした咀嚼が難しく、時としてあごの関節に異常を引き起こすこともありますから、かみ合わせにも配慮が必要です。
かみ合わせと運動能力を中学生で調べた研究では、明らかにかみ合わせの良い人の方が筋力が強く、50m走でも速く走るといったデータが出ています。スポーツ選手に矯正治療を行い、しっかりと奥歯でかめるようにすると、潜在的パワーが発揮されて、試合時に思わぬ好成績を出したりすることもあります。実際、ソウルオリンピックでカール・ルイスが100m競技で優勝し、金メダルをもらった時は、その笑顔にブレース(矯正器具)が輝いていました。
また、かむことと脳の働きを調べるためのマウスを使った実験では、硬い固形食を与えていたグループの方が軟らかい粉末食を与えたグループより、コレシストキニンという、脳内で記憶を呼び起こす働きをする物質が多く、学習効果も高いといったデータが発表されています。ポケ防止といった観点からも、きちんと物をかめるようにすることが大切だと思います。
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