下の前歯が見えない過蓋咬合の矯正治療
2024.11.19更新
前歯のかみ合わせの深さは、永久歯の歯列では、上の前歯が下の前歯の4分の1から3分の1を被うくらい、乳歯列ではかみ合わせがもう少し浅めの切端咬合までが正常とされています。過蓋咬合(かがいこうごう)は、それよりかみ合わせが深くて、下の前歯が見えないような状態をいいます。先日、3歳児健診を行った時にも、すでにかみ合わせの深い子供が多く見受けられました。過蓋咬合になる原因として、臼歯部の骨の垂直的な発育不良、虫歯による臼歯部の崩壊や欠損、乳臼歯の早期喪失、上下の前歯の伸び過ぎなどが考えられますが、最近の子供は小顔傾向で下あごが小さいことも関係しているようです。ほおづえやうつぶせ寝の習慣は、骨の成長に影響を及ぼすことがあるので、気をつけましょう。
過蓋咬合が重度になると、下の前歯が上の前歯の裏側の粘膜を傷つけてしまったり、発音がこもるために、言葉が不明瞭になったりします。また、下あごが上あごに抱え込まれた状態になるため、結果的に下あごの自由な動きが規制されてしまい、そのストレスから歯ぎしりをすることもあります。過蓋咬合の矯正治療では、乳歯列や混合歯列(乳歯と永久歯が混在している時期)の場合、バイトプレートやバイオネーターといった取り外し可能なプラスチック製の装置を使って、かみ合わせを浅くコントロールします。永久歯列になると、歯に直接金具を付けるマルチブラケット装置で治療します。このように、患者さんの年齢や状態により適した方法は異なります。
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