矯正治療と親知らず
2024.11.19更新
大人を対象としたある調査によると、下あごの親知らず(智歯)は、50%近くの人が骨の中に埋まったままになっており、きちんと生えることができたのは20%程度と、非常に少なかったとのことです。このことからも、現代人のあごに智歯まで含めた32本の歯がすべて生えるのは、かなり難しいといえます。
歯とあごの骨の大きさの不調和が強いと、前歯部のでこぼこだけでなく、臼歯部でもでこぼこが生じ、さらには智歯も埋伏してしまいます。
骨の中に埋伏した智歯の中でも水平に横たわっているものは、智歯周囲炎を起こしたり、第二大臼歯の後ろ側で虫歯になったり、歯根を異常吸収したりすることが多いため、特に問題となります。
皆さんの中でも、智歯がうずいてから、大変な思いで抜歯した経験のある人は多いのではないでしょうか。 また、痛みはなくても、智歯が前方の歯を押すことによって、かみ合わせがずれたり、前歯がでこぼこになることもありますから、矯正治療を考える上でも注意が必要です。
そこで最近では、智歯が下あごの骨の中で作られ始める10歳くらいの比較的早い時期に取り除くようになってきました。この時期には、智歯のもととなる歯胚(しはい)の上にある骨が薄く、歯胚を取り除く際に、ほとんど骨を削る必要がないため、体に与えるダメージも少なくて済むからです。 そうすることで、第二大臼歯が生えるのに十分なスペースが得られ、智歯が原因でさまざまな問題を引き起こす可能性もかなり少なくなります。
※歯胚=骨の中で歯が作られる際に歯のもととなる組織
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