このごろ暴飲暴食のせいで太ってしまった、なんて人いませんか。そんな人に「よくかんで食べるとダイエット効果がある」という話を歯科医の立場から少し説明します。どうしてダイエット効果が生まれてくるかというと、食事を味わいながら、ゆっくりと時間をかけてひと口20~30回ほどよくかんで食べれば、脳の中の神経ヒスタミンやコレシストキニンという化学物質が増えて満腹感を起こさせ、結果的に食事の量が減り、体重も減るということです。実際、1年足らずで数十㎏の減量に成功した人もいます。相撲の久島海親方の話によると、力士の中でも同じ量を食べて太る人とまったく太らない人がおり、太る力士は決まって食べるのが早く、あまりよくかんでいないそうです。このかむという動作には肥満防止のほか、だ液の分泌を促進する重要な働きがあります。だ液には、それに含まれるアミラーゼという酵素によって消化吸収の効率を上げたり、リゾチーム、ペルオキシターゼなどによってウイルスや細菌からの感染を予防する効果もあります。また、だ液にはパロチンというホルモンも含まれ、カルシウムを中心とする無機質代謝、糖代謝および全身の発育成長とも関係しています。最近では発がん性物質に対しても不活性化させる働きのあることが分かってきています。よくかむという簡単な動作だけで、このようなすばらしい作用をより多く得ることができます。
皆さんもよくかんで食べることを心がけ、美しく健康的にダイエットして、幸せを呼び込んでみませんか。