6月初めの”歯の衛生週間”には、各地で無料の歯科相談や歯科健診が行われていました。日頃気になっている事を歯科医に相談してみるのには、とてもいい機会ですね。また、4月から学校でも歯科健診が行われており、虫歯の有無、歯ぐきの状態、プラークの有無(歯磨きの状態)、顎関節や歯並び、かみ合わせに異常がないかをチェックしています。今回は、歯並びやかみ合わせの中で問題となるものを説明します。
①歯と比べてあごが小さく、でこぼこな歯並びの“叢生”。歯を磨きにくいため、虫歯や歯周病の原因にもなる。
②上あごの過成長や下あごの劣成長などにより、上の前歯が飛び出ている“上顎前突”。
③上あごの劣成長や下あごの過成長などにより、前歯のかみ合わせが逆になっている“反対咬合”。遺伝的な影響を受けている場合が多く、矯正治療では長期間の管理が必要になる。あごのズレが大きい場合には、大人になってからあごを切る手術が必要になることもある。
④歯がかみ合わず上下的に隙間がある“開咬”。指しゃぶりや飲み込み時に舌を突き出す癖、口呼吸などが原因の場合が多い。
⑤かみ合わせた時に下の前歯が上の前歯で被われて見えないほどかみ合わせが深い“過蓋咬合”。乳歯の早期喪失や、虫歯による奥歯の崩壊や欠損などが原因となる。下の前歯で上の歯ぐきを傷付けることもある。
⑥歯をかみ合わせた時、上下の奥歯のかみ合わせが左右にズレている“交叉咬合”。左右のどちらか片方ばかりでかむ癖、頬杖、うつぶせ寝などが原因で、だんだんと顔が曲がってくる場合もある。
このようなかみ合わせの異常を放置すると、きちんとした咀嚼が出来ずに、虫歯や歯周病、顎関節症の他、将来的に全身の様々な問題が起きてくることも予想されます。これらの異常に気付いたら、早めに矯正専門医に相談しましょう。