歯科医師会で行っている8020運動を知っているでしょうか?お子さんが成長する過程において、虫歯や歯周病で失うことになる歯の数を減少させ、80歳になった時点で少なくとも20本の歯が残せるように日ごろからの歯の手入れ(歯磨きや歯科治療など)を推奨しているものです。このうち歯磨きの習慣は一朝一夕で身につくものではなく、しつけとして親から与えられて生活習慣となるものです。
歯磨きの習慣のほかにも、しつけという観点から歯科に大きく関わってくるのが、食事の仕方と姿勢です。奥歯でよくかんで食べることは、消化吸収を助け、味覚を育て、かみ合わせの深さを決定します。さらには学習の能率も高めると考えられています。子どもの歯の発育に合わせて、かみごたえのある食材を離乳食から取り入れましょう。
さらに、左右均等にかむ習慣は左右バランスのとれたあごの骨や筋肉の発達を促すために大切です。あごの関節のトラブルは、その人の直立や座位の姿勢とも関係しています。そのため猫背にならないように、背中を反り過ぎないように注意が必要です。
また、咀嚼(そしゃく)の機能異常は口元の形態にも大きく影響を与えます。歯並びの異常やあごのズレなどによってバランスよく 食べられない場合は、早めに専門医を受診しましょう。そして、クオリティ・オブ・ライフ(生活の質)の向上のために不可欠な食べる楽しみを、大切なお子さんに授けてあげてください。