今、アメリカで大ヒットしている映画”マイノリティ・リポート”の会見記事を見て、ハッとしました。
何と、主演俳優トム・クルーズの歯に透明ブラケットの矯正装置が付いていたのです。さすがアメリカ、いやトム・クルーズ、あれほどのスターなのに、堂々と表側に装置を付けて会見するとは。そして、40歳になった彼の顔が見事なシンメトリー(左右対称)になっているのに、もう一度感心。
2年ほど前に、モテるモテないは、シンメトリーか否かで決まるというセンセーショナルな帯付きで”シンメトリーな男”という本が話題に上っていました。それには、”シンメトリー“が1990年代の動物行動学研究の一大トレンドであること、顔の良さと体の全体的なシンメトリーとの間には相関があること、顔のパーツがシンメトリーで、それらの配置がシンメトリーであることが顔の魅力となること、体がシンメトリーだということは、脳や神経の出来具合も良いことなどが事細かに書かれていました。
さすがに矯正治療をしても、トム・クルーズのような顔にはできませんが、シンメトリーな顔にすることはある程度可能です。例えば、上あごや下あごが大きく左右にずれている場合に、あごの位置を修正する外科矯正を行ったり、左右のどちらかだけが八重歯の場合の口角 (唇の端の部分)のつり上がりを、でこぼこな歯並びを治すことで解消するといった具合です。もちろん左右的にかみ合わせがズレている場合にも、矯正で歯を動かすことによりバランスを取ることができます。そしてバランスの取れた形態は、バランスの取れた機能にも通じてきます。
日常生活での注意点としては、日頃から左右両側の歯で均等にものをかむように心がけ、体のバランスを崩す習慣(ほおづえ、足を組むなど)をなくすことも大切です。