虫歯はミュータンス薗などの細薗による感染症ということが分かっています。すなわち、生まれたばかりの赤ちゃんのように無薗状態であれば、虫歯にはならないのです。ところが、母親が子供と同じスプーンを使ったり、だ液を接触させることで、虫歯の原因薗を母子感染させ、結果的にその細菌が作る酸で、子供が虫歯になってしまいます。このように、母親の口の中の状態によっては、子供の歯にもかなり影響を与えてしまいます。ちなみに、出産後3ヵ月から2年くらいまでの間、母親がキシリトール100%のガムを毎食後かみ続けることで、その子供が虫歯になりにくくなるという報告もあります。ここで大事なのは、キシリトールなら何でも良いということではなく、キシリトール100%が良いということです。市販されているものの多くはキシリトール100%くらいで、そのほかに、アスパルテームなどの合成甘昧料が混じっており、効果が減少します。
虫歯発生の3大条件は、(1)宿主(歯)、(2)基質(食べかす、糖質)、(3)細薗(プラーク)で、すべての条件が重なった時に虫歯になります。それぞれに対する予防法は、(1)栄養バランスのとれた食生活を心がけること、フッ素を塗布し、歯自体を丈夫にすること、(2)規則正しい食生活を送ること。砂糧が多く入ったお菓子やジュースなどをなるべく避けること、(3)歯ブラシで丁寧にプラークを取り除くこと・・・などが大切です。
また、一般的には食後3分以内に歯を磨くと良いなどと書われていますが、実際には食事をすると同時に細薗が酸を作り始めますので、細菌の数を減らすために食事前に歯磨きをすることも効果的だと思います。