この春話題だった映画”キャッチミー イフ ユーキャン”を見た人も多いのではないでしようか。
その中で、主演のデカプリオが、「そのブレース気に入っているかい?」と矯正装置をしている病院の受付の女性へ話しかけ、自分も矯正していたけれど、今は装置を外してマウスピースを使っている」といったやりとりのシーンがありました。
このように、アメリカ映画の中では、時々ブレース(歯に接着する矯正装置)をつけた俳優を見かけます。しかも、ほとんどが金属製のブレースで。矯正先進国であるアメリカに、透明なブレースがないなんてことはありません。アメリカで矯正治療をすることは、自慢であって決して恥ずかしいごとではなく、隠す必要がないからなのでしよう。
ここ数年アメリカの矯正材料メーカーでは、矯正ワイヤーを固定するカラフルなエラスティック(ゴム製品)が多く販売されています。そのほかにも、暗闇で光るブレースやゴールドブレースなどがあり、患者さんの好みを取り入れ、矯正をファッションの一部として楽しむ傾向にあります。一方、日本では一透明なブレースや歯の裏側につげる装置を希望する患者さんが圧倒的に多く、矯正装置を楽しむ余裕のある人はまだ少ないようです。実際、私の診療所でも、昨年行われたワールドカップの試合(ドイツ戦)を見に行く患者さん何人かに、「ドイツ国旗カラーである赤、黒、黄色のエラスティック使ってみない?」と聞いでみましたが、希望する人はいませんでした。
日本でも、患者さんが矯正装置を楽しみながら、堂々とつけてくれる日が早く来てほしいものです。